6人を受け入れるということは。
7/15 17:00すぎ。
札幌ドームにはいつもより大きなエイトコールが響いていた。
門出を祝福するような、でもどこか不安な自分たちファンやメンバーを鼓舞するようなエイトコールだったように思う。
実質、7/8の関ジャム生放送をもって、7人の関ジャニ∞は私たちの前で終わりを告げた。
責任を背負った大人たちの「無責任ヒーロー」や、訥々と語るように歌われた「大阪ロマネスク」、終わりとも始まりとも取れるような「LIFE〜目の前の向こうへ〜」、関ジャニ∞を代表する曲たちを目の当たりにして、私は泣きじゃくった。
錦戸さんの堪えられない涙を見て、寂しさと達観と孤独をまとった渋谷さんの表情を見て、7人の関ジャニ∞の最後を実感した。
振り返ってみると、4/15のあの日あの瞬間、私の中の7人の関ジャニ∞は終わったんだと思う。
あの日からどこか、何を見ても聞いても腑に落ちない、渋谷さんを見ても心が躍らない、そんな状態でフワフワと漂っていた。
関ジャニ∞は好きだけど、これからバラバラになる6人と1人を、7人としてみることはどうしてもできなかったように思う。
と、いうのは前回記事でもお伝えした通り。
3ヶ月間、もやもやとした気持ちを抱えたまま、安田くんの病気や怪我のことがあって、なおさら頭の中が混乱して、どんな気持ちでいればいいのかわからなかったし、でも7/15のツアー初日は問答無用で楽しみだった。
7/15の初日を終えて頭に浮かんだのは、「6人の関ジャニ∞とこれからも生きていきたい」というただ一つの答えだった。
薄情かもしれないけど、私は、6人の関ジャニ∞をあまりにもすんなりと受け入れることができた。
あまりにストンと胸に落ちてきたので不安になるくらい。
もちろん違和感はあるけれど、寂しさはあるけれど、7人がよかったに決まってるけれど。
4/15に終わったあの日から抱いていた一切の不安を、全て打ち砕いてくれるコンサートだった。
それくらい、最高だった。
人間が持つ運を全て使い果たしたんじゃないかくらいに席がよかった。
メインステージから距離はあるが真正面。
ムービングのセンターステージはその距離5メートル。2列目だったけど前の人が小柄だったこともあり、私の身長をもってすれば1列目となんら視界は変わらなかった。
真上をメンバーが通り、足の裏から頭の上まで全部を見尽くせるような、いわゆる神席。
安田くんを中心に据えて考えた、自力移動を最小限に抑えたステージ構成で、メンバーがどの位置にいても肉眼で捉えられる、会場のセンターの席だった。
関ジャニ∞には、BJという曲がある。
カップリングながらファンに支持される名曲。
そのメロディや歌詞から、リリース当時は圧倒的なBJ崇拝があって、もちろん私も大好きだった。
2017年のシングル、「なぐりがきBEAT」では、アレンジも新たに収録され、新たなファンにもBJが知られることとなった。(私は断然オリジナル派。)
最近はコンサートで歌われることもめっきり減り、その間に名曲がどんどん生まれ、名曲の山に埋もれていたように思う。
その曲が、今回の門出のツアーで歌われた。
しかも、センターステージで。私の目の前で。
このタイミングでBJが歌われること、目の前に6人がいること、マイクを通していない声やドラムの音まで聞こえてくる距離で、スポットライトが当たる彼らと、自分だけの空間になった気がした。
そんな奇跡の重なりに、開始直後から止めどなく流れていた私の涙がピタッと止んだのだった。
この光景を、6人を、一つ一つの音を、逃してはいけないと、泣くのをやめた目を見開いて、耳をすませた。
あの場所で聞いたBJは、一生の宝物になった。6人とともに、「唄うような速度で構わない」、歩んでいきたいと思えた。
渋谷すばるという音楽の中心を失った彼らは、それでもコンサートの半分をバンドで駆け抜けた。
意地にも近い、センターで関ジャニ∞を背負った錦戸さんは、いつもに増して歌に力を込めていた。
今までにはないバンドメンバー紹介、身幅がゆったりとした衣装の数々、門出にふさわしく、これまで何度も披露してきたシングル曲中心のセットリスト、人気かつ安田くんに負担の少ない、それを感じさせないVTR企画。
6人となった負担と、そして一番は安田くん本人の負担、そのどれもを最小限に抑えたセットリストだったんだろうと感じるけれど、でもそれは全てが、6人の今の本気を詰め込んだようにも感じた。
決して手を抜いたようには一切感じなかった。そこには全力の本気しかなかった。
前回ツアーのJAMは、前半全てがバンドで、手を挙げ続けていた。ロックバンドのコンサートに来たみたいな気持ちになった。すごくアツかった。
今回ツアーのGR8ESTは、前半はバンドで進んだものの、ミディアムバラードやシングル曲なども盛り込んでいたため、バラエティに富んでいた。
手を挙げ続けていたわけではないけれど、6人が全身全霊で伝えようとする音楽を受け止めるには、今までにないほどの体力を要した。
もっと激しいセットリストはたくさんあったはずなのに、一番疲れた公演だった。見てるこちらも、気持ちが前のめりだった。
結局私は何を伝えたかったんだろう。
終演後、2日後、一週間後と書きためていたので、いろんな気持ちの混ざった記事になってしまった。
とにかく、6人の関ジャニ∞も、疑う余地なく最高で最強な人たちだった。